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スイスの銀行 クレディ・スイス・グループ(CSG)は、投資銀行が活況に沸く状況にもかかわらず、一難去ってまた一難と相次ぐ危機に見舞われ、今回はビル・フアン氏のファミリーオフィス、 アルケゴス・キャピタル・マネジメントのポジション破綻に伴い 47億ドル(約5160億円)の減損の計上を迫られた。
アルケゴス絡みの巨額の損失発生は市場を動揺させたが、クレディ・スイスが発表した驚くべき数字はこれまで明らかになった関連損失では最大。同行は6日に広範な経営陣の入れ替えを発表せざるを得なくなり、波乱続きの同行のリスク管理の在り方にあらためて疑念の目が向けられた。
クレディ・スイスは資産運用部門が英金融ベンチャー、グリーンシル・キャピタルと運用していたサプライチェーンファイナンス(SCF)のファンドについて、バリュエーションの懸念を理由に閉鎖を決めたばかり。
トマス・ゴットシュタイン最高経営責任者(CEO)の下で、より安定した時代がスタートするはずだと考えられていたが、手痛い失態続きの同行にとってアルケゴスがむしろ駄目押しの打撃を与える事態となった。
他の投資銀行は現在、市場やディールメーキングの活況を享受しているが、クレディ・スイスは体制を立て直し、グローバル金融に不可欠な独立勢力として存続することが可能だと株主と顧客に納得してもらうことが急務となっている。
6日に減配と自社株買いの停止が発表された後、JPモルガン・セキュリティーズのアナリスト、キアン・アブホセイン氏とアミット・ランジャン氏は、他の主要銀行株と異なり今年に入り既に下げているクレディ・スイス株の投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に引き下げた。
アブホセイン氏らはリポートで、「複数の経営陣入れ替えと規制・監督当局による監視の影響に加え、CSGは場合によっては成長を抑制してまで『資本を保全する』戦略を追求せざるを得ないかもしれない」と指摘した。
原題: Credit Suisse’s Scandal Toll Climbs Ever Higher as Rivals Thrive(抜粋)
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