■ランクルの原点は「トヨタ・ジープBJ型」 そんなランクルの原点は1951年に警察予備隊向けの機動車への納入を狙って開発された「トヨタ・ジープBJ型」である。ちなみにBJは「B型エンジン」を搭載した「JEEP型車」を意味するそうだ。それ以来70年、トヨタで最も長い歴史を持つモデルであり、世界累計生産1040万台以上、年間30万台以上のモデルが世界170の国と地域で活躍する。 ランクルと名乗るすべてのモデルの開発思想は、世界中のあらゆる地域・道で使われることを想定し、最も厳しい基準をもってクルマ造りを行うことだ。そのポイントは極めてシンプルで下記の3つだ。
「道なき道でも自由に走れる」 「命・荷物を運ぶために壊れない」 「もし壊れても何とかして必ず帰ってくることができる」 実はこれ、すべてのクルマ造りの基本中の基本だが、その実現は極めて困難だ。しかし、歴代ランクルはそれを実現してきたからこそ、世界で絶大な信頼と支持を集めた。豊田章男社長は「ランクルは『世界の命を守るクルマ』であり、トヨタにあるロングセラーの中でも大事な1台」と語っている。 そんなランクルの歴史を振り返ると大きく3つの系統に分かれる。ランクルの根底とも言える「ヘビーデューティ系」は1951年に登場したランドクルーザーの原点「トヨタ・ジープBJ型」で、初めてランクルの名を冠した20系から40系、70系へと受け継がれる。レジャー用ではなくワークホースとして開発されたモデルで、単純構造で必要最小限の機能/装備ではあるが、タフな走りを身上とする系統と言えるだろう。
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