「眠狂四郎」「古畑任三郎」などの人気ドラマシリーズで知られる俳優田村正和(たむら・まさかず)さんが4月3日に都内の病院で、心不全のため亡くなっていたことが18日、分かった。77歳だった。
ここ数年、田村さんは表に立つ俳優業からは身を引いていた。2年前に女性週刊誌の取材を受けた時には、心臓手術をしたことも明かしていた。最後の作品は18年フジテレビ系「眠狂四郎 The Final」だった。
15年にテレビ朝日系「復讐(ふくしゅう)法廷」での取材の時には「これが最後の作品になるかも。この2~3年、同じ気持ちでやってます」と話していた。体調が万全ではないこともある中、目の前の1作に全力を尽くすという思いを語っていた。
田村さんは、シリアスな時代劇から、TBS系「パパはニュースキャスター」などのコミカルなホームドラマ、フジテレビ系「ニューヨーク恋物語」などの大人のラブストーリーなど、さまざまなジャンルの作品に出演した。どんな作品でも上品でダンディーさを失わず、見る者を魅了した。
94年に始まった三谷幸喜氏脚本のフジテレビ系「古畑任三郎」シリーズは、独特の語り口調やしぐさ、鋭い観察眼など、個性的なキャラクターが愛された。
田村さんの父は、大正から昭和にかけて活躍しバンツマの愛称で人気だった阪東妻三郎さん。二枚目で知られ、子供たちもそのDNAを受け継いだ。田村さんの長兄は06年に亡くなった田村高広さん、弟は田村亮。3人とも父を思わせる端正な顔立ちで、田村3兄弟と呼ばれ人気だった。
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