山々も街並みも赤や黄に染まる美しい季節になりました。この時期、イチョウに近づくと鼻をつまみたくなるにおいがします。そのにおいと裏腹なおいしさのギンナンを使ったレシピをご紹介します。
ギンナンは、実に見える悪臭を放つ部分全体が種。外側のやわらかい部分を取り除くと硬い殻。食べるのは、その中にある「仁」です。ねっとりとした食感やほのかな苦味、甘みなどが特徴で、カロテン、ビタミンC、カリウムなどが豊富。さまざまな効能があると言われる半面、たくさん食べ過ぎると中毒症状を起こすこともあります。
原因は「メトキシピリドキシン」という物質。ビタミンB6と分子構造が非常によく似ており、体内でビタミンB6と間違えて取り込まれ、その働きを阻害します。ビタミンB6がうまく働かないので、脳内で神経を沈静化してくれる物質がうまく作られず、興奮状態が続いてしまい、めまいや嘔吐(おうと)、けいれん等につながると考えられています。
中毒症状を発症するのは70%以上が十歳未満で、特に五歳未満が多いと言われています。成人であっても偏食やアルコール依存症、ビタミンB6の欠乏をおこす可能性のある薬を服用している場合などには特に注意が必要です。
新鮮なギンナンはきれいな緑色で、エメラルドグリーンやヒスイ色とも言われます。新鮮な方がにおいがきつくなく、モチモチ食感。硬い殻は、トンカチやビン底で割るのをオススメします。瓶は硬い物を使ってください。多少の傷やへこみが付いても良いまな板などの上に、傷が付いても良い菜箸や割り箸を二本置き、ギンナンの殻を箸と箸の間に挟みます。その上から瓶底やトンカチでたたくと、箸の厚み以上にはつぶれないので、うまく殻だけ割ることができます。
「和」のイメージがあるギンナンですが、洋風に食べるレシピにしてみました。秋の味覚をぜひ味わってください。食べ過ぎには気を付けて。
◆材料(4人分)
1人当たり42キロカロリー、食塩相当量0.3グラム
ギンナン(殻付き)100グラム/オリーブオイル小さじ1/2/粉チーズ大さじ1/塩少々/黒こしょう少々
◆作り方
(1)ギンナンの殻はトンカチや瓶の底などで割り、むく。
(2)殻をむいたら薄皮をむく。
(3)フライパンにオリーブオイルとギンナンを入れてフタをし、中火でこんがりと焼く。
(4)こんがりと火が通ったら火を止め、塩、黒こしょう、粉チーズを加えて混ぜる。
<やまと・さおり> 管理栄養士、料理研究家。1989年、水戸市生まれ。東京農大卒。市内で「お料理教室オムスビ」を開講している。
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