旬の甘夏を使って“世界―”のママレードを作ってみませんか。
ママレードとは、かんきつ類の皮を刻んで果肉と砂糖と一緒に煮込む、イギリス伝統のジャム。日本には、甘夏やきんかん、ゆず、レモンなど、さまざまなかんきつ類が栽培されているため、四季折々のママレードが作れます。
今回は、ママレードの世界的な大会で優勝した経験をもつ、料理研究家の赤曽部麗子さんに、家庭でおいしく作る方法を教えていただきました。ポイントは“黄金比率”です!
世界大会優勝!赤曽部麗子さんが指南“究極のレシピ”
赤曽部麗子さんは、ママレードを作り続けておよそ50年。ママレード発祥の地、イギリスで毎年行われている、The Dalemain World Marmalade Awards&Festival(ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル)で、日本人初の最高賞・ゴールドメダルを2回も受賞した、世界が認める腕の持ち主です。
今回は、赤曽部さんが編み出した“究極のママレードレシピ”をご紹介します!
ポイントは黄金比率!赤曽部流のママレード
おいしいママレードとは、透明感があって、皮に味がしっかりしみ込んでいて、かんだ瞬間には香りがふわ~と広がるもの。ゼリーのように、ほどよく固まっていることもポイントですね。
【ママレード】(出来上がりの分量:約980ml)
<材料>
甘夏みかん:1㎏ (果汁:400ml 皮:約250g)
レモン:2コ (果汁:100ml)
水:1600ml
グラニュー糖:700~750g
オレンジリキュール:小さじ2
ガーゼ:1枚
<作り方>
(1) 甘夏とレモンを半分にカットし、果汁を搾り、こします。
※種と搾りかす、内皮は、ガーゼに包みます (ペクチンの代わりになります)
甘夏果汁400ml・レモン果汁100mlを取っておいてください!
この分量が、おいしいママレードを作る“黄金比率”に関わってきますよ!
(2) 甘夏の皮を縦4つに切り、内皮をそぎ取ります。
※内皮もガーゼに包みます(ペクチンの代わりになります)
(3)皮(約250g)を、長さ2cm、厚さ1.5~2mmに刻みます。
皮は、火が均等に通るよう、形をそろえて切ってくださいね。
これで味が決まると言っても過言ではありません!切り方はとっても重要ですよ!
(4)鍋に、水1600ml、(3)の皮、ガーゼに包んだ種や内皮など(約340g)を一緒に入れ、皮がやわらかくなるまでふたをしてゆでます。
※中火から弱火、約45~60分
(5)やわらかくなった皮をボウルに入れて、ゆで汁を500ml取ります。
材料がそろいました!レモン果汁100ml 、甘夏果汁400ml、ゆで汁500ml
「1(レモン):4(甘夏):5(ゆで汁)」これが、私の考えるママレードの黄金比率です!!
(6)鍋に、皮、ゆで汁、果汁、レモン果汁、グラニュー糖(半分)を入れ、中火で煮詰めます。
(7)あくを引きながら残りのグラニュー糖を加えて煮詰めたら、最後にオレンジリキュールを入れて、一瞬火を強くします。
最後にリキュールを加えることで、おしゃれな味になりますよ!魔法のようです。
(8)泡の色が、最初に比べてほんのり茶色くなってきたら、火を止めます。
(9)熱いままのコンフィチュールを、煮沸消毒した瓶の9分目まで入れてふたをしめ、1分たったらふたを緩めて脱気をします。
(10)ふたの本締めをします。鍋に、瓶の肩までお湯を張り、10~15分煮沸消毒したら出来上がりです。
※やけどをしないよう、ゴム手袋、ふきんなどを準備しましょう。
おいしい!甘夏の味・香りが、口いっぱいに広がります。甘さの中に、皮をかんだときの、ほろ苦さが加わって、とっても爽やかな味。こんなにおいしいママレードは初めてです。
余ったら、ソースに入れたりドレッシングに入れたりしてもおいしいですよ。
日本にはさまざまな果物があるので、これをきっかけに、ぜひジャム作りに興味を持っていただきたいです。これからも、いろいろなレシピをお伝えしていきたいと思います。
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