20日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続落し、大引けは前週末比607円87銭(2.13%)安の2万7937円81銭だった。下げ幅は11月26日(747円66銭)以来の大きさ。終値で心理的な節目の2万8000円を6日以来、2週間ぶりに下回った。前週末の米国株安を受け、運用リスクを回避する目的の売りが先行した。日本時間午前に中国人民銀行(中央銀行)の利下げが伝わると、中国景気の先行き懸念から売り圧力が一段と強まり、下げに拍車がかかった。
前週は米連邦準備理事会(FRB)が量的金融緩和の縮小(テーパリング)の加速を決めるなど、主要中銀が金融政策の正常化方針や新型コロナウイルス対応の緊急措置の縮小を相次いで打ち出した。株式市場への資金流入が細るとの見方が強まり、前週末の米ダウ工業株30種平均が大幅に下落。東京市場も景気敏感株などの売りを促した。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大で各国で行動制限の強化が目立ち始めていることも相場の重荷となった。オランダは19日からロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。日本国内でも人の移動が増える年末年始を控え、感染再拡大を懸念する雰囲気が強かった。
中国人民銀行は2021年12月の最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)の1年物について3.80%と、0.05%の引き下げを発表すると、日経平均は急速に下げ幅を拡大した。利下げは景気を下支えする効果があるものの、その必要があるほど中国景気は弱くなっているとの見方がかえって売りを促す結果となった。
東証株価指数(TOPIX)は大幅続落し、前週末比43.14ポイント(2.17%)安の1941.33で終えた。JPX日経インデックス400も大幅続落した。
東証1部の売買代金は概算で2兆4541億円。売買高は11億4233万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は2051と、全体の9割を超えた。値上がりは115銘柄、変わらずは18銘柄だった。
ジェイテクトやNTN、日精工が売られた。マツダやヤマハ発、ダイキンも安い。半面、任天堂やトレンド、エムスリーは買われた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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