初日の出フライトに備えて…
ANA(全日空)が保有する総2階建て旅客機、エアバスA380。「世界最大の旅客機」として規格外の胴体をもつ同機の機体洗浄作業の様子が、2021年12月27日(月)、報道陣へむけ初公開されています。 【写真レポ】アクロバティックすぎ! 「フライングホヌ」洗浄作業の様子(35枚) ANAではA380を3機導入。成田~ホノルル線専用機で、就航地のハワイで神聖な生き物とされる「ホヌ(ウミガメ)」にちなんだ「FLYING HONU(フライングホヌ:空飛ぶウミガメ)」という愛称と、3機で異なる特別塗装を持ちます。現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、定期便運用からは外れていますが、各種遊覧チャーターや地上イベントなどで活用されています。 今回洗浄されるのは、「ANAブルー」が特徴の初号機「JA381A」。2022年元旦に実施される予定の遊覧チャーター企画「初日の出フライト」の担当予定機です。この洗浄作業は、初日の出フライトにむけ、一年の汚れを落とし綺麗な状態で新年を迎え、利用者を迎える“大掃除”として実施されました。 ANAによると、通常の旅客機の場合、洗浄作業は100日おきに実施されることが通例ですが、ANAのA380の場合、先述のとおり定期便運用から外れていることから、洗浄のペースも落とされているとのこと。JA381Aが洗われるのは、2021年4月以来です。
A380とほかのANA機、洗浄どう違う?
ANAによると、エアバスA380の洗浄作業は15人体制で6時間を要します。ANAの旅客機のなかでは小さめのボーイング737では9人で2時間、大型に分類されるボーイング777では9人で4時間とのこと。その大きさゆえに洗浄作業も規格外です。水の使用量は737を基準とすると、777は2倍、そしてA380は3.5倍としています。 公開されたA380の洗浄では、胴体側面の雨だれ汚れはもちろんのこと、地上では見えない胴体下部まで、丹念に洗浄をしている様子が確認できました(A380は、胴体下部に「ANA」ロゴがある)。また、主翼や機首部分、そして格納庫の天井ギリギリとなる高さ24.1mの垂直尾翼の洗浄では、高所作業車を用いてモップがけを実施しています。 担当者によると、洗浄作業自体は型式による違いはなく、水で濡らしてから薬剤をかけ、頑固な汚れはモップやブラシがけをし、水で流すというプロセスですが、A380は「機体が大きく、突起物も多いので、作業員間で器材の配置や危険箇所の情報共有をしながら進めています。高所作業も多いので注意しなければならないことも多いです」とも。機首部分のアンテナなどは、特殊な作業車両を使いマスキングをしているそうです。
乗りものニュース編集部
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