Saturday, December 4, 2021

中国のEV化、どこへ行く? 大通りでカチカチ数えてわかったこと - 朝日新聞デジタル

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 この街には、なんて電気自動車(EV)が多いのだろう――。広州で生活をしていると、いつもこんな風に感じる。

 私は普段、取材や生活での移動に、タクシーや中国式ウーバーの配車アプリ「滴滴出行」(ディディチューシン)などをよく使う。物価がどんどん上がっている中国だが、タクシー初乗り料金は広州で3キロ12元(約210円)。10キロ乗っても700円くらいと、やすやすと乗れない日本と違って利用しやすい。配車アプリもたくさんあり、呼べば数分でやってきてとても便利なので、ガソリン車で契約していた支局車のリースをやめてしまった。

 その「市民の足」であるタクシーや、スマホの配車アプリで車を呼ぶと、ほとんどがエンジン音もなく静かに近づいてくるEVなのである。

タクシーや中国式ウーバーはEV一色

 肌感覚だと、タクシーだと8割くらいだろうか。配車アプリで呼ぶ車は、ホンダアコードや日産・ティアナといったちょっと上級のクラスを選ばず、「経済型」(エコノミー)を選択する限り、ほぼ100%がEVといっていい。

 やってくる中国ブランドのEVには、とてもたくさんの車種がある。国営大手・広州汽車グループの「AION」のスポーツ用多目的車(SUV)だと、車内も広くて乗り心地も良く、「当たり」だと感じる。配車アプリを使うと、吉利汽車(本社・浙江省杭州)や比亜迪(BYD、本社・深圳)の小型セダンだったり、ときには、欧州車のようなデザインの新興EVメーカー・小鵬(本社・広州)のSUVが来たりする。

 さながら中国ブランドEVのショーケースのようで、次はどんな車が来るのか楽しみになる。ただ、ときには車好きの私でも聞いたことがない中国のEVブランドに当たることがある。先日、深圳で配車アプリを使って利用した車のロゴは初めてみたもので、EV世界最大手の米テスラに似ていた。

 やはり車好きな、広州支局の林一山助手に写真を送って見てもらったが、「全く見当がつかない」と驚いていた。のちに、林助手が知人を通じて調べてくれ、上海に本社がある割安のEVを販売している新興メーカーだと判明した。

 ただ自家用車となると、まだEVの比率はタクシーほどは高くない。それではタクシーや自家用車などすべてを合わせると、街を走っている車のどれくらいがEVなのだろう。

 中国では、ガソリン車やハイブリッド車(HV)はナンバープレートが青。EVやプラグインハイブリッド(PHV)などの新エネルギー車は「緑ナンバー」なので見分けやすい。これも肌感覚では、広州では30%以上は「緑」のような気がする。調べてもこうした統計は見つからなかったので、それならいっそのこと自分たちで測ってみることにした。

新エネ車、割合を測定してみた

 11月中旬、手持ち式カウンターを買って、支局スタッフと大通りに出た。野鳥の会や交通量アルバイトの方々が、親指でカチカチするあれである。

 まず1カ所目は、朝日新聞広州支局の目の前の大通りである「天河北路」。支局スタッフの一人がすべての車の数を数え、もう一人が新エネ車の「緑ナンバー」を数えることにした。

 木曜日のお昼過ぎから10分…

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