欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は14日、ウクライナ戦争によって一段のインフレ高進のリスクが高まったとの認識を示した。数カ月以内に債券購入を終了させることが適切だとの姿勢を確認した。
ロシアのウクライナ侵略がユーロ圏経済の回復を脅かしていると指摘。成長への下振れリスクは増したとし、消費者物価の動向を注視していると語った。
ECBはこの日、債券購入を7-9月(第3四半期)中に終わらせる方針をあらためて表明したが、市場の利上げ観測は後退。市場が織り込むECBの利上げは9月と12月に0.25ポイントずつとなった。
新型コロナウイルスに感染したため自宅からオンライン形式で記者会見に臨んだラガルド総裁は、「インフレ見通しが上振れするリスクは短期を中心に増した」と発言。「現在の不確実性に強く留意しており、中期的インフレ見通しへの影響に関して今後のデータを注視していく」と述べた。
ECBは3月に示した速やかに資産購入を終了させる方針をあらためて打ち出し、純資産購入を終了した後「しばらくして」から「漸進的な」利上げを行うと表明した。
ECB、速やかな資産購入終了計画を維持-年内の利上げ観測高まる
ラガルド総裁は資産購入プログラム(APP)を7-9月に終了させる「可能性が極めて高い」としつつ、正確な期日や想定される利上げのスケジュールはまだ決定されていないと説明。利上げはAPP終了の「1週間後かもしれないし、数カ月後かもしれない」と語った。
APP終了と今後の金利については6月に決定するとも述べた。最新の経済予測を考慮して「判断の要素」を織り込むという。
ECBが設定した目標の4倍付近に上る高インフレの中で総裁は、インフレ期待の上振れを示す早期の兆候に警戒する必要があると説いた。
「何よりも望ましくないのはインフレ期待に歯止めがかからなくなることだ。金融市場のさまざまな指標や専門家調査ではインフレ期待がほぼ2%前後にとどまっていることが示されているが、これが2%を超えて上昇する早期の兆候には注視を要する」と述べた。
ECBはこの日の声明で「インフレは大幅に加速し、今後数カ月は高止まりする見込みだ」とし、「政策委員会は物価安定というECBの責務を果たすために必要なあらゆる措置を取る」と言明した。
原題: Lagarde Pinpoints June as Moment for Clarity on ECB Pullback、 Lagarde Says War Is Stoking Risks to Inflation in Euro Zone (1)、 ECB Sticks to Speedier Stimulus Exit as War Fans Inflation (1)(抜粋)
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