2022年6月3日 午前7時10分
夏の必需品となるエアコンが、中国のロックダウン(都市封鎖)や半導体不足のためメーカーの生産が滞り、福井県内の家電量販店でも在庫不足や約3カ月の入荷待ちといった影響が出始めている。需要のピークとなる7月にはさらに品不足になるとの懸念も。他の家電製品にも入荷遅れや値上げの動きがあり、ボーナス商戦に向けて消費意欲の低下を心配する声が出ている。
福井市新保北1丁目の家電量販店「100満ボルト福井本店」のエアコンコーナーでは、今週から「エアコンが供給不安定です! ご購入お急ぎください!」との広告掲示を始めた。コーナーに並ぶ製品の展示見本には「入荷未定」「約3カ月後の入荷予定」などの紙があちこちに張られている。
同店では国内外10メーカーの最新エアコンなど約40種類を取り扱っているが、寒冷地仕様の製品や一部メーカーのものが在庫ゼロや長期の入荷待ちとなっている。倉庫の在庫量も例年に比べてかなり少なく、担当者は「過去にないくらいの在庫不足」と声を落とす。中国の都市封鎖や半導体不足のほか、北海道の気温上昇による需要急増もあり、商品確保が困難になっているという。
担当者は「エアコン商戦は7月からお盆までがピークだが、在庫状況はさらに厳しくなりそう。原材料費や輸送費の高騰で値上げの可能性もある」と話す。同店では洗濯機の在庫も不足しており、人気の「ドラム式」は半分の種類がメーカーの新規受注停止や長期の入荷待ちとなっている。
PLANT(本社坂井市)の各店では、中国の都市封鎖の影響で4月に入荷予定だった扇風機が5月下旬にずれ込むなどの影響を受けた。担当者は「テレビが半導体不足による値上げ予定との情報がある。消費者の購買意欲が低下する恐れもあり、ボーナス商戦に影響が出ないといいが」と心配する。
街の電器店も厳しい状況だ。敦賀市相生町の増田清商会では、取り扱う家庭用給湯器が半導体不足の影響で昨秋から入荷困難になり、顧客への納期が数カ月待ちになるなどの影響を受けている。増田一司社長は「お客との密接な関係が電器屋の利点だが、納期遅れとなると窮地に立たされる」と憂う。
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