米連邦準備制度理事会(FRB)は23日、ウォール街の大手銀行が市場の混乱に耐える能力を審査する年次ストレステスト(健全性審査)をそろって通過したことを明らかにした。各行はこれを受け、数百億ドルの株主還元を行う見込み。
FRBの 発表によると、検査対象行は、失業率の急上昇や不動産価格の急落、株価低迷などが重なる状況に対処できる十分な資本があることが審査で示された。JPモルガン・チェースやモルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス・グループなどの大手行は、市場が衝撃を受けるシナリオでのトレーディング業務の回復力も審査された。
審査の条件が発表されたのは2月で、米国のインフレ率が40年ぶりの高水準に加速する前だが、そのシナリオは世界経済の減速懸念が高まる中でもはや現実離れしているとは見受けられない。今回の審査通過は配当や自社株買い戻しを通じた株主還元への事実上のゴーサインとなる。
FRBは発表文で、「銀行の資本水準は引き続き強固であり、深刻なリセッション(景気後退)の間も消費者や企業への融資を継続できる」との見解を示した。
FRBによると、30余りの検査対象行は、経済崩壊を招くような深刻な不況のシナリオでも、最低資本要件を引き続き上回ることができると判断された。そのシナリオで被る損失の合計は6120億ドル(約82兆5800億円)に上ると試算された。
ストレステストの結果を受け、各行は27日から株主還元計画を発表できる。バークレイズのアナリストによる予測では、株主還元で業界をリードするとみられるのはJPモルガンで、配当と自社株買いの合計で189億ドルに上る見込み。バンク・オブ・アメリカ(BofA)の155億ドル、ウェルズ・ファーゴの153億ドルが続くという。大手米銀の合計では、今年の株主還元は800億ドルに上る見通しであることがバークレイズの予測に基づくブルームバーグの集計で示された。
原題:
Banks Ace Fed Stress Tests to Pave Way for Shareholder Payouts(抜粋)
(FRBの見解や株主還元額の予測などを追加して更新します)
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