風通しが悪い企業風土を刷新し、システム障害の再発を防ぐため、新経営陣は、全てを一から見直す覚悟で改革に向き合わねばならない。
システム障害が相次いだみずほフィナンシャルグループ(FG)が新たな経営体制を発表した。
引責辞任する坂井辰史社長の後任に、2月1日付で木原正裕執行役が昇格する。みずほFGの会長には今井誠司副社長が、みずほ銀行の新頭取には加藤勝彦副頭取がそれぞれ4月に就く予定だ。
システムに精通した人材が足りないとの指摘を受け、日本IBMの副会長経験者をFGの執行役員に招く人事も決めた。
みずほ銀は2021年の2~9月に8回ものシステムトラブルを起こし、11月に金融庁から2度目の業務改善命令を出されていた。顧客の信頼回復が急務であり、新経営陣の責任は重大だ。
再発防止に取り組む中、年末年始にもトラブルが2回発生した。昨年末に一部の他行あて振り込みができなくなった障害は、人為的な設定ミスが原因だという。
前途多難ぶりを象徴しているようだ。木原氏は、まずはトラブルの抑止に全力を挙げるべきだ。
みずほは、新体制の発表と同時に金融庁に再発防止のための業務改善計画を提出した。
コスト削減のため減らしすぎたシステム関連の人員を増やすという。機器の不具合の予兆をつかめるよう、保守点検のあり方も再検討するとしている。そうした改善策を、確実にシステムの安定化につなげていく必要がある。
さらに、続発する障害の根底にあるとされる企業風土を抜本的に改めることが不可欠となる。
みずほは日本興業、第一勧業、富士の3銀行の再編で2000年に発足した。旧3行による縦割り意識が根強く、金融庁は業務改善命令の際、「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」体質を厳しく批判した。
新体制も、木原氏は興銀、今井氏は第一勧銀、加藤氏は富士銀の出身だ。人選にあたった指名委員会の委員長は、バランスを取った人事であることを強く否定したが、外部からは、ポストを分け合ったように見える。
旧3行の意識を取り払う改革こそが重要だ。木原氏は3メガバンクで初の平成入行組のトップとなる。前例にとらわれず、上意下達の風土を打破してもらいたい。
そのため、経営幹部に外部からの人材登用を増やしていくことも検討課題となろう。
からの記事と詳細 ( みずほ新体制 障害の再発防止は前途多難だ - 読売新聞 )
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