福島第一原発の汚染水、初の現地調査終了
「放出自体を反対あるいは承認する計画はない
会う相手は日本政府が決める」
福島第一原発敷地内のタンクに保管中の放射性物質汚染水/AP・聯合ニュース
日本の福島第一原発(以下福島原発)の放射性物質汚染水の海洋放出計画に対する安全性を検証する、国際原子力機関(IAEA)調査団による初の日本現地調査が18日に終了した。IAEAは同日、オンライン記者会見を開き、汚染水の海洋放出の決定自体について反対あるいは承認する計画はなく、汚染水放出計画が「国際的安全基準に準拠したものかどうかを調べる」と発表した。
調査団を率いて日本を訪問したIAEAのリディ・エヴラール事務次長は同日、オンラインで開かれた記者会見で、IAEAが汚染水の海洋放出を行ってはならないという結論を下す可能性があるのかという質問に対し、「国際原子力機関は決定に対し、承認も反対もしない。各国の責任のもとに(決定が)下されたため」だと答えた。また「原子力の安全に関するプロジェクトに反対するか承認するかの決定は、(各国の)国家規制機構によってなされるべきである」としたうえで、「IAEAは(決定の)結果に対する承認あるいは反対は行わない。ただし、原子力の安全に関する役割はIAEAにあり、安全基準(の確保)への支援を行っている」と述べた。
IAEAは今回の調査団の訪日が、日本政府が昨年4月に汚染水の海洋放出方の開始方針を明らかにした後、IAEAに支援を要請したことによるものだと明らかにした。海洋放出は来年春から始まるものとみられる。IAEAは14日、韓国原子力安全技術院のキム・ホンソク責任研究員兼KAIST原子力・量子工学科兼任教授を含む、米国、英国、フランス、ロシア、中国、ベトナム、アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、マーシャル諸島出身の専門家らで調査団を構成し、来日した。調査団は訪日期間中、福島第一原発の運営会社である東京電力や経済産業省などから説明を聞き、15日は福島第一原発も訪問した。IAEA原子力安全・核セキュリティー局のグスタボ・カルーソ調整官は同日の記者会見で、今回の調査過程で現地の漁業者団体や環境団体など汚染水海洋放出に反対する人にすでに面会したか、これから面会の計画があるのかという質問に対し、「日本政府が決めた相手と会うことになっている」と答えた。
調査団は福島第一原発敷地内のタンクに保管されている汚染水からサンプルを受け取り、これをモナコなどの研究機関に送って分析する予定だと、IAEAは明らかにした。日本政府は、福島第一原発のタンクに保管されている汚染水を多核種除去設備(ALPS)でろ過した後、海に放出する計画だ。日本政府はALPSで水と似た性質のトリチウムを除くほとんどの放射性物質を基準値以下に浄化する過程を経るとして、汚染水ではなく「処理水」と呼んでいる。
しかし、日本政府の汚染水海洋放出計画に対して、福島の漁業者と環境団体は反対している。環境団体のグリーンピースは18日、IAEAが福島第一原発の汚染水問題について、過去にも正確でない評価を行ったことがあると指摘した。グリーンピースは一例として、IAEAが2015年に東京電力のALPSなど放射性物質を除去するための努力を評価したが、2018年にALPSでろ過した水にも基準値を超える放射性物質が多く含まれていた事実が明らかになったことを挙げた。今回の現地調査に対する報告書は4月に発表される予定だ。
チョ・ギウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
訳H.J
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