トレーダーらは、米金融当局が一段と積極的に利上げを進めるとの予想を強めた。1月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る伸びとなったことが背景にある。先物市場は、次回3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で2000年以来となる0.5ポイント利上げが実施される可能性を50%余り織り込んだ。
米消費者物価7.5%上昇に加速-40年ぶりの伸び率、予想も上回る (3)
物価上昇圧力の強まり懸念から、短期金融市場は7月末までで合計1ポイントの利上げを織り込んだ。これは今後4回のFOMC会合全てで0.25ポイントずつ利上げすることに相当する。また年内6回以上の0.25ポイント利上げも一時織り込まれた。
CPI統計発表後に米国債相場は急落。金融政策に敏感な2年債の利回りは一時13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の約1.5%と、20年1月以来の高水準。10年債利回りも急伸し、19年8月以来の2%超えとなった。
BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、イアン・リンジェン氏は「今年に入りインフレの勢いが強まっていることから、かなり早急に利上げが3回実施されるとわれわれはみるが、3月に0.5ポイント引き上げるかは分からない」と説明。「3月に0.5ポイントの幅で利上げを開始すれば、それは市場が年内の全会合での0.5ポイント利上げを織り込み始めることを意味する。FOMCは金利の正常化を望んでいるが、そのペースはリスク資産のパフォーマンスに左右される。市場は現在6回の利上げを予想している。株が大きく売りを浴びれば、それは実現しないこともあり得る」と述べた。
CPI統計を受けて米短期債の利回りが急伸し、イールドカーブはフラット化した。これは通常、金利上昇に伴い経済成長が減速するとトレーダーが見込んでいることを示唆する。5年債と30年債の利回り差は40bp未満に縮小。FOMCがフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25-2.5%に引き上げた2018年遅く以降で最もフラット化した水準に近づいた。
JPモルガン・アセット・マネジメントのチーフグローバルストラテジスト、デービッド・ケリー氏は「金融政策は遅れを伴って作用する」と指摘。「成長ペースは大きく鈍化するだろう。債券市場はそれを織り込みつつあり、イールドカーブがフラット化しているのはそれが理由だ」と述べた。
原題: Half-Point Fed Hike in March Is a Coin Flip After Hot Inflation(抜粋)
*U.S. 10-YEAR YIELD RISES TO 2%, HIGHEST SINCE AUGUST 2019
(市場関係者のコメントを追加し、更新します)
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