クレディ・スイス・グループは人権侵害や汚職、麻薬密売に関与する顧客の口座を管理していた。匿名の内部告発者が南ドイツ新聞に提供した情報を基にニューヨーク・タイムズ紙などが伝えたもので、関連する口座は1万8000以上、資産合計は1000億ドル(約11兆5000億円)余りだという。
南ドイツ新聞はこのデータを非営利のジャーナリスト団体や他の報道機関と共有。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の20日の報道によると、データは1940年代からここ10年間に開設された口座まで含まれており、そのうちの一部は今も開かれたままだと英紙ガーディアンは伝えた。
クレディ・スイスは各紙の報道後すぐに 声明を発表。「当行の意図された商慣行に関する疑惑や当てこすりを強く否定する」とし、これらの情報は「文脈から抜き出した部分的、不正確、ないしは選択的な情報に基づいており、当行の業務遂行の偏った解釈を招いた」と指摘した。
同行はこの報道に取り組むジャーナリスト団体からの問い合わせを受けた後に口座を調査。その結果、約90%の口座は閉じられているか、既に解約プロセスに入っていたとし、そのうち60%以上は2015年より前に閉じられていたと説明した。
さらに、「残りのアクティブな口座については、適切なデューデリジェンス(資産査定)や審査、その他の管理関連の手順に満足していると付け加えた。
NYTによると、約2億7000万ドルを保有する25口座は、ベネズエラの国営石油会社、ベネズエラ石油(PDVSA)を巡る不正に関与したと追及を受けている複数の人物に属していた。また、ジンバブエのムガベ前政権と関連で欧米の制裁を受けている同国実業家の口座もあった。
ガーディアン紙によれば、フィリピンの人身売買業者や賄賂で投獄された香港取引所の当局者、エジプトやウクライナなどの国での汚職に関与した役人らの口座があったという。
クレディ・スイスは20日の声明で、「こうしたメディアの主張は当行だけでなく、過去数年間に大きな変化を遂げたスイス金融市場全体の信用を傷つけるための協調的な取り組みのように見受けられる」と主張。「クレディ・スイスは業界とスイスの金融市場改革に沿ってここ10年で一連の重要な追加措置を講じており、金融犯罪対策へのかなりの追加投資もそれに含まれる」と説明した。
原題: Credit Suisse Had Clients Tied to Corruption, Reports Say(抜粋)
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