帝国ホテル周辺の「内幸町一丁目街区」開発を推進する10社が、同街区の事業構想である「TOKYO CROSS PARK構想」を発表した。都心最大級の敷地面積約6.5ha、延床面積約110万m2の開発プロジェクトで、隣接する日比谷公園とつながると道路上空公園も計画する。2028年度から順次完成予定で、全体の完成は2037年度以降。
場所は東京都千代田区内幸町1‐1で、帝国ホテルやNTT日比谷ビルなどがあるエリア。北地区・中地区・南地区の3つの地区で構成し、オフィスや商業施設、ホテル、住宅機能等を備える。「帝国ホテル新本館と3棟の超高層タワーが織りなすスケール感、日比谷公園に隣接する立地を最大限に活かす」としている。
参画する事業者は、NTTアーバンソリューションズ、公共建物、第一生命保険、中央日本土地建物、帝国ホテル、東京センチュリー、東京電力ホールディングス、NTT、NTT東日本、三井不動産の10社。
日比谷通りを挟んで約16haの日比谷公園が隣接する豊かな緑と水に恵まれた環境を活かすべく、同公園と街をつなぐ「2つのデッキ状の道路上空公園」、「31mの高さにある基壇部上広場」、「2haの大規模広場」といったパブリックスペースを整備。「人が主役の街づくり」をテーマに、人々が出会い・ふれあい・新たなコミュニティを育む、また年を重ねるごとに魅力を高める「経年優化」の街づくりを目指す。
北地区には帝国ホテル 新本館およびノースタワー、中地区にはセントラルタワー、南地区にはサウスタワーを開発。各タワーにオフィス機能と商業施設を備えるほか、ノースタワーはサービスアパートメント、賃貸住宅等、セントラルタワーはホテル、ホール、宴会場、産業支援施設等、サウスタワーはホテル、ウェルネス促進施設等を整備する。敷地面積は、北地区が約2.4ha、中地区が約2.2ha、南地区が約1.9ha。
帝国ホテルの新本館は、'31年度工事開始、'36年度完成予定。階数は地上29階、地下4階、高さ約145m、延床面積約15万m2。
「おもてなしが広がり、人が集う街へ」をテーマに、帝国ホテル新本館開業に加え、中地区にはNTTグループと帝国ホテルによるスモールラグジュアリーホテルが開業。また、南地区には帝国ホテルとは別の事業者による運営が検討されているwell-beingをテーマにしたホテルが開業する。
さらに、ノースタワーにサービスアパートメントと賃貸住宅機能を設置することで、日比谷に「住まう」という新しい価値を提供する。
ノースタワーは、'24年度工事開始、'30年度完成予定。階数は地上46階、地下4階、高さ約230m、延床面積約27万m2。
セントラルタワーは、'22年度工事開始、'29年度完成予定。階数は地上46階、地下6階、高さ約230m、延床面積約37万m2。
サウスタワーは、'22年度工事開始、'28年度完成予定。階数は地上43階、地下5階、高さ約230m、延床面積約31万m2。
再開発においては、「街づくり×デジタル」もテーマに掲げ、分野横断型の「第三世代」スマートシティ実現に向けて、デジタル・ツイン・コンピューティング(DTC)を活用した高度な都市OS(情報基盤)等の実装に取り組む。また、街のスマート化だけでは人は幸せになれないという思いから、「街のスマート化と人々の幸せの両立を目指す」としている。
そのほか、「すべての人々のwell-being」、「持続可能な街・社会へ」をテーマに掲げた街づくりが進められる。
TOKYO CROSS PARK構想の「CROSS」には、様々なものを掛け合わせた街づくりを推進するという意味が込められている。具体的には、日比谷公園と街をつなぐ、都心主要拠点・人の結節点、事業者10社の共創という、3つの「CROSS」がある。
都心主要拠点・人の結節点については、内幸町一丁目街区はビジネス拠点の大手町・丸の内・有楽町および虎ノ門・新橋、官庁街の霞が関、商業エリアの銀座の、3つの結節点であると同時に、東京宝塚劇場が隣接するなどエンタメの聖地でもあり、さらに日比谷公園の豊かな緑と水に恵まれている。
こういった立地ならではのポテンシャルを最大限に引き出すべくすべく、事業者10社が共同で、TOKYO CROSS PARK構想に込められた「掛け算」の価値創造に向けて取り組む。
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