米カード最大手のビザと2位のマスターカードは5日、ロシアでのカード決済事業を停止すると発表した。ロシア国内で両社のブランドのクレジットカードやデビットカードが使えなくなるほか、ロシアの銀行が発行したカードは全世界で決済できなくなる。消費者や企業などに幅広く影響が及ぶ可能性がある。
両社は1日までに、ロシアの複数の銀行が発行したカードの利用を停止していたが、さらに踏み込んだ措置となる。ロシアでは、ロシア国外の金融機関が発行したカードであっても、加盟店やATMでのクレジットカードやデビットカードの利用ができなくなる。「直ちに実行し、数日間かけて取引が停止される」(ビザ)という。
ロシアの金融機関が発行したカードはロシア国外で決済できなくなり、事実上の全面停止となる。海外に資産を持つ富裕層などの決済ルートを封じるねらいもあるとみられる。マスターカードは声明で「世界の規制当局の要求に沿った措置」としている。
ビザのアルフレッド・ケリー最高経営責任者(CEO)は声明で「我々が目撃した受け入れがたい事態を受け、行動を起こさざるを得なくなった」と述べた。「ロシアでサービスを提供する加盟店、カード会員などに影響を与えることを遺憾に思う」ともつづった。
25年超にわたってロシアで事業を展開してきたマスターカードはリリースで「この決定を軽々しく決めたわけではない」と強調した。「適切な時期に、法律に照らして許される状況になれば、再開に向けて取り組む」との見通しを示した。
ロシアではキャッシュレス決済の比率は上昇しており、直近で約6割となっている。カード決済も右肩上がりで増加。調査会社スタティスタによると、2020年のカード決済件数は411億回で、19年比で16%増えた。(大島有実子)
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