米金融当局は16日、2018年以来となる利上げに着手する見込みで、投資家は40年ぶりの高インフレに当局がどれだけ積極的に対策を講じる方針かを注視している。
連邦公開市場委員会(FOMC)が2日間の検討を経て0.25ポイントの利上げを決めるのはほぼ確実。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長も今月の議会証言でそうした動きを支持すると発言していた。
FOMCは米東部時間午後2時(日本時間17日午前3時)に声明とともに、当局者の金利予想を分布した「ドット・プロット」を含む最新の四半期経済予測も公表する。パウエル議長はその30分後にオンライン形式で記者会見を開く。
マクロポリシー・パースペクティブズのジュリア・コロナド社長は「当局はインフレ圧力をクールダウンさせる決意を間違いなく持っており、必要に応じてより速く、またはより遅くすることができると安心させるメッセージを送りたい考えだ」と分析。「当局は現在、マクロ経済の安定という非常に困難な仕事を達成しようとしている」と指摘した。
FOMCの予測
ブルームバーグが調査したエコノミストらによると、FOMCの新たな予測では、2022年に4回、23年に3回の利上げ見通しが示される公算が大きい。これは昨年12月のドット・プロットに示された今年3回の利上げを上回る回数となるものの、FOMCの意向を巡ってはかなりの不確実性があり、市場は22年に計7回と、今月を皮切りとする毎会合での利上げを織り込みつつある。
アマースト・ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「22年と23年、24年のドット、そして声明やパウエル議長の会見での金利に関するフォワードガイダンス」が焦点になるだろうと述べた。
24年のドットも重要視される可能性がある。FOMCがインフレ抑制のため政策金利を中立的水準よりも高めに引き上げる見通しかどうかが示されるかもしれないためだ。中立金利は経済を加速も減速もさせない水準とされ、FOMCが昨年12月に示した四半期予測では2.5%前後と推計されていた。
ルネサンス・マクロ・リサーチの経済調査責任者、ニール・ダッタ氏は「インフレが根強いなら、当局はさらなる行動が必要だと示すと予想される」と述べた。
22年と23年のインフレ率の予測が上方修正されることも確実で、新型コロナウイルス禍での供給混乱などによる価格上昇圧力が予想より長引いていることなどが反映されそうだ。
FOMC声明
声明はインフレ対応でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の将来的引き上げの見通しに言及する公算が大きいが、今後のデータ次第だと保険をかけることも忘れないだろう。経済成長ペースが今年鈍化し、ロシアによるウクライナ侵攻で新たな不確実性が生じているとの認識も示す可能性がある。
JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏はFOMCが長引くインフレについての表現を微調整して、エネルギーやコモディティー価格の上昇などに言及する可能性があると予想した。
バランスシート巡る情報更新
FOMCは今月、資産購入プログラムを完了した。前回会合では保有証券のランオフ(償還に伴う保有資産の減少)を通じたバランスシート圧縮に関する一般原則を発表した。
当局は8兆9000億ドル(約1050兆円)に膨らんだバランスシートの圧縮ペースについて、さらなる詳細を打ち出す可能性もある。これには、米国債と住宅ローン担保証券(MBS)を再投資せず償還させる毎月の上限額の設定も含まれるかもしれない。パウエル議長は今月の議会証言で、そうした措置が3月会合で議論されると述べていた。
記者会見
パウエル議長は記者会見で、ロシアによるウクライナ侵攻と経済への影響や最近のインフレ指標に加え、年内の会合で毎回利上げする計画があるかどうかや、より慎重なアプローチを取る可能性などについて質問を受けるとみられる。
原題:
Fed to Hike and Steepen Its Rate Policy Path: Decision-Day Guide(抜粋)
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